とある女性の話です。
彼女は、事故で下半身不随になりました。


■出会い

シンガーソングライターの友人がライブをするというので、誘われて参加した時のことです。
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私は気持ちよく音楽を聴きながら、演奏の合間には同じテーブルの人たちと喋っていました。

いつからか、入り口のそばに車いすの女性がいました。

狭いライブ会場に来るだけでも大変だったことでしょう。
しかも、周りの人とあまり会話ができていない様子。
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後で声をかけようかと思いながら、テーブル内で食の問題について語っていたら、さっきまで演奏していた女の子が会話に入ってきました。

「姉がそういう話、好きなんです。
 その話、あそこにいる姉にしてやってもらえませんか。」

指差す方向には、先ほどの車いすの女性 Aさん(仮)がいました。

Aさんは1年ほど前に事故で脊髄を損傷し、車いす生活になったらしい。
「99%治ることはない」と医師から宣言され、1年近く引きこもっていたそうです。
そんな中、友人のライブがあるということで久しぶりに家から出てきたら、
関心事である食について詳しく語っている男を妹から紹介された。
それが、Aさんと私との出会いでした。

■諦めを取り去る

Aさんと喋っていると、気になることがいくつかあった。
中でも決定的なのが、マイナス思考でした。

「もう二度と歩けない。」
本人はそう言うのですが、私はそうは思いませんでした。

「歩けますよ。」
そう伝えると、戸惑っていました。

その後、彼女は私のイベントによく参加するようになりました。
最初は、自宅から30分程度の会場だけ。
しばらくすると1時間近く離れた会場まで足を延ばすようになり、
やがて2時間かかる会場に来て、外泊もするようになりました。

会うたびに「歩けますよ。」と伝え続けた。

根拠なく言っているのではありません。
私なりに確信があっての話です。

さらに遠方まで出かけられるようになったころ、西洋医学ではなく、別の分野で日本屈指の技術を持つ先生の下へ連れて行きました。すると、やはり先生は「きっと、歩けますよ。」と言われました。

また、友人の紹介で、更に別の分野の日本有数の先生の下へも行き、そこでも「歩けるようになりますよ。」と言われて帰ってきた。

お気付きでしょうか。
当初は遠出が出来なかったAさんが、身体的には まだ何も変わっていないにもかかわらず、かなり遠方まで出かけられるようになっているのです。

これは、喜びから生まれるエネルギーです。
出かけるたびに、楽しいことがある。
出会う人たちから次々と前向きな言葉が入ってくる。
その喜びが、これだけAさんの能力を広げたのです。

■ゴールに向けて行動する

複数の人から「歩けますよ。」と言われ続けたことで
彼女の中に「歩行」への意欲が生まれてきました。
再び歩けるようになるという希望です。
Want to のエネルギーは強烈です。

すぐに、ある先生の下に通って、リハビリを始めました。
片道約2時間。通うだけでも大変な距離です。
痛みや疲労、不安に直面しながらも諦めずに、相当量のリハビリを続けました。

そして、あるとき Aさんが未来について語ってくれました。

「これまでは、事故の前の状態に戻ろうと思ってリハビリをしていたけど、 それは違う。これまでの自分とは違う、これからの自分を作るために リハビリをしているって感じがする。」

過去に戻るためではない。
未来を創るために行動している。
この手応えは、とても大切だと思います。

固まっていた関節の可動域も広がり、体力も付いてきた。
ほんの数ヶ月で、床を這えるようになりました。

最初のころは、抱きかかえて立った態勢を作ってあげると「怖い!危ない!」と騒いでいたのが、ある時から「私、立ってる!そっか。このぐらいの身長だったんだ。」と楽しむ余裕が出てきました。
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もう、歩き出すのも時間の問題かと思います。

■誰が夢を奪ったのか

出会った当初は、二度と歩けないと固く信じていたAさん。
社交性も高いとは言えず、外出も控えていた。

それが、ほんの数ヶ月で行動範囲は桁違いに広がりました。
大勢に会うようになった。
よく喋るようになった。
外泊も増えた。
そして、何より自分は歩けるようになると確信をもって未来に向かって行動するようになりました。

この能力は、もともとAさんの中にあったのです。

それを、事故によりメンタルの弱ったタイミングで、医師という権威ある人間が「あなたはもう二度と歩けませんよ。」と強烈にインプットしてしまったのです。

あるいは、純粋無垢な幼少期に「あなたは○○な子ね。」と言われれば、自分はそういう人間なんだと思い込みます。
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このような社会の影響により、無数の可能性にブレーキをかけられてきた結果が、最初に出会った時のAさんだったのです。

それでも、可能性は消えることなく、可能性のまま残っています。
では、可能性を実現させるトリガーは、いったい何でしょう。

それは、夢です。 ゴール設定です。

Aさんの場合であれば、
「歩けない孤独な人生」というゴールから、
「歩ける楽しい人生」というゴールに切り替えました。
だから、眠っていた能力が発揮され始めたわけです。
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実は、ここまで紹介した話は、私がコーチング技術を学ぶ以前のことです。
だから、時間もかかりました。遠回りもしました。苦労もかけました。

今なら100倍、いや1000倍 スムーズにゴールに向かわせてあげられる自信があります。

身に付けた技術は、社会に役立ててこそ意味がある。
そう思いながら、コーチングをさせていただいています。



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苫米地式コーチング認定コーチ 坂本裕史
WEB : http://www.sakamoto-coach.com
Blog : http://sakamoto-coach.blog.jp