こんにちは。
苫米地式コーチング認定コーチの坂本裕史です。
先日、書店で見かけた一冊。
タイトルが気になり手に取ってみましたが、内容はサラリーマン時代の私の業務そのものでした。
例えば、毎日8時間かけてデータ集計をしていた部署に、1クリックで処理が終わるプログラムを納品していました。
社内にプログラマーが少なかったこともありますが、他所の部署や、他の事業所から仕事の依頼が集まり、部門を横断した形で自由に働かせてもらっていました。
そういった経験からも言えることですが、今の世の中にプログラマーが全然足りない。
そこで文科省は、そういったIT人材を育てるために義務教育の変革を進めているようです。
2012年から中学校では「プログラムによる計測・制御」が必修となり、
2020年には小学校でのプログラミング教育を必須とするよう検討が進んでいます。
具体的な導入方法に関しては、まだまだ議論の余地があると思います。
ただ、現在の心理学は、ファンクショナリズム(機能主義・関数主義)というパラダイムに移行しています。そういった意味では、日本人全員がプログラミングを学ぶことで、最新の心理学について一つの理解の入り口が開けるかもしれません。
かつて、ユングやフロイトたちが人の心を研究していた時代は、まだ研究方法が確立されていませんでした。
一部の哲学者たちが、「人間とは、こういうものだ。」と叙述的に語っていたに過ぎません。そのため、科学に必須の客観性・普遍性・再現性が不十分でした。
そこで「実験」という科学に不可欠なプロセスを導入したのが、構造主義というパラダイムです。
構造主義の実験を簡単に解説すると、こんな感じです。
実験対象の人物に対して、「入力」と「出力」を観察します。
例えば、このような例を考えてみましょう。
(入力) 「あなたが好きだ」というセリフを聞かせる。
(出力) 嬉しい。
(入力) 「あなたが嫌いだ」というセリフを聞かせる。
(出力) 悲しい。
この結果から、「人間は、「あなたが好きだ」と言われると喜び、「あなたが嫌いだ」と言われると悲しむ」という結論が得られる。という形です。
このように「入力」と「出力」を観察することで人間の特性を見るのが構造主義の時代でした。
しかし、この方法には根本的な問題があります。
それは、実験という手段によって科学らしくはなりましたが、心理学が扱うべき「心」を全く見ていないのです。
実際は、入力によって出力が得られるのではありません。
入力を受けて、心の中で何らかの処理(function、機能・関数)が働き、その結果として出力が生まれるのです。
そこで、誕生したパラダイムが「ファンクショナリズム」です。
人の心をファンクション(関数)として記述する手法です。
あるいは、人の心が持つファンクション(機能)を記述する手法と言えるかもしれません。
簡単に言えば、脳内で行われる思考や判断を、プログラミングのような関数として表現するということです。
これは数学やコンピューターサイエンスの進歩により実現した心理学の進歩です。
ここまで来て、ようやく科学的手法で人の心を扱うことができるようになりました。
そういった意味ではプログラミングを知らない大人よりも、プログラミングを知っている子供の方が、マインドの仕組みをより深く理解できる時代が来るのかもしれません。
「僕たちは医師と患者の間に入って、医者が使いやすく、患者に分かりやすい医療システムを作る仕事に就く予定です。手作業で行っている業務を、プログラミングで自動化する訳です。でも、システムが自動化されてしまった後は、人間の仕事がなくなってしまいます。だから、僕らの仕事は20~30年もすればなくなるかもしれません。その時に僕らはどうしたらいいんですか?」
確かに、その通りです。
自分が作り上げたシステムによって、これまで丸一日かけていた業務が一瞬で終わる。
まさに私がサラリーマン時代に行っていたことです。
その時、人間が行うべき仕事がなくなってしまうのではないかという心配ですが、結論から言えば、全く問題ありません。むしろ大歓迎です。
機械にできる仕事は、どんどん機械に任せてしまえばいいのです。
理由は複数ありますが、一つ挙げるなら、仕事の価値という観点です。
「仕事にかけた時間」に価値があるのではなく、「仕事の成果」に価値があるのです。
短い時間で同じ成果が得られるのなら、その方がいいに決まっています。
余った時間で、人間は「より付加価値の高いこと」をすればいいのです。
付加価値については長くなるので記載しませんが、相談者である学生さんには掻い摘んで要点を説明しました。
驚きと喜びが混ざった複雑な表情をしていましたが、仕事が無くなる不安は完全に消えていました。
興味のある方は、「お金講座 第3回 お金の集め方」でお話しいたしますので、ご参考になさってください。
どういった内容にするか。
そういった議論の余地はありますが、プログラマーを含めIT系のエンジニアが不足しているのは事実です。不足しているということは、そこにニーズがあるということですから、これからプログラミングを学ぶ人が増えることは悪くないと思います。
プロとしてプログラマーにならなくても、一般の事務処理でもデータ集計を行うなら、プログラミングが役立つ機会は多々あります。もちろん、エンジニアであれば言わずもがなです。エクセルなどでデータ集計を行うことがある方なら、VBA(Visual Basic for Application)を少し使えるだけで劇的に業務が加速することでしょう。
そして、仕事とは関係なく、ものの考え方としてプログラミングの仕組みを知っておくことにも価値があると思います。最先端心理学の基礎となる考え方がファンクショナリズムですから、プログラミング的なものの考え方を習得することは、人間のマインドを理解する上で大きな意味があることでしょう。
そういった意味で、多くの人が考え方を知っていれば、論理的思考とマインドの理解に役立つかもしれません。
もし興味がありましたら、少しぐらい学んでみるのもいいかもしれません。
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苫米地式コーチング認定コーチ 坂本裕史
WEB : http://www.sakamoto-coach.com
苫米地式コーチング認定コーチの坂本裕史です。
先日、書店で見かけた一冊。
私のサラリーマン時代
タイトルが気になり手に取ってみましたが、内容はサラリーマン時代の私の業務そのものでした。
例えば、毎日8時間かけてデータ集計をしていた部署に、1クリックで処理が終わるプログラムを納品していました。
社内にプログラマーが少なかったこともありますが、他所の部署や、他の事業所から仕事の依頼が集まり、部門を横断した形で自由に働かせてもらっていました。
プログラミングの義務教育化
そういった経験からも言えることですが、今の世の中にプログラマーが全然足りない。
そこで文科省は、そういったIT人材を育てるために義務教育の変革を進めているようです。
2012年から中学校では「プログラムによる計測・制御」が必修となり、
2020年には小学校でのプログラミング教育を必須とするよう検討が進んでいます。
具体的な導入方法に関しては、まだまだ議論の余地があると思います。
ただ、現在の心理学は、ファンクショナリズム(機能主義・関数主義)というパラダイムに移行しています。そういった意味では、日本人全員がプログラミングを学ぶことで、最新の心理学について一つの理解の入り口が開けるかもしれません。
心理学の歴史
ファンクショナリズムとは、人の心をファンクション(関数)として捉え、表現する心理学の考え方です。現在、最先端のこの考え方が生まれるまでには、長い道のりがありました。かつて、ユングやフロイトたちが人の心を研究していた時代は、まだ研究方法が確立されていませんでした。
一部の哲学者たちが、「人間とは、こういうものだ。」と叙述的に語っていたに過ぎません。そのため、科学に必須の客観性・普遍性・再現性が不十分でした。
そこで「実験」という科学に不可欠なプロセスを導入したのが、構造主義というパラダイムです。
構造主義の実験を簡単に解説すると、こんな感じです。
実験対象の人物に対して、「入力」と「出力」を観察します。
例えば、このような例を考えてみましょう。
(入力) 「あなたが好きだ」というセリフを聞かせる。
(出力) 嬉しい。
(入力) 「あなたが嫌いだ」というセリフを聞かせる。
(出力) 悲しい。
この結果から、「人間は、「あなたが好きだ」と言われると喜び、「あなたが嫌いだ」と言われると悲しむ」という結論が得られる。という形です。
このように「入力」と「出力」を観察することで人間の特性を見るのが構造主義の時代でした。
しかし、この方法には根本的な問題があります。
それは、実験という手段によって科学らしくはなりましたが、心理学が扱うべき「心」を全く見ていないのです。
実際は、入力によって出力が得られるのではありません。
入力を受けて、心の中で何らかの処理(function、機能・関数)が働き、その結果として出力が生まれるのです。
そこで、誕生したパラダイムが「ファンクショナリズム」です。
人の心をファンクション(関数)として記述する手法です。
あるいは、人の心が持つファンクション(機能)を記述する手法と言えるかもしれません。
簡単に言えば、脳内で行われる思考や判断を、プログラミングのような関数として表現するということです。
これは数学やコンピューターサイエンスの進歩により実現した心理学の進歩です。
ここまで来て、ようやく科学的手法で人の心を扱うことができるようになりました。
そういった意味ではプログラミングを知らない大人よりも、プログラミングを知っている子供の方が、マインドの仕組みをより深く理解できる時代が来るのかもしれません。
将来、人間の仕事が無くなるのか
先月、とある医療系大学の学生からプログラマーの将来について相談を受けました。「僕たちは医師と患者の間に入って、医者が使いやすく、患者に分かりやすい医療システムを作る仕事に就く予定です。手作業で行っている業務を、プログラミングで自動化する訳です。でも、システムが自動化されてしまった後は、人間の仕事がなくなってしまいます。だから、僕らの仕事は20~30年もすればなくなるかもしれません。その時に僕らはどうしたらいいんですか?」
確かに、その通りです。
自分が作り上げたシステムによって、これまで丸一日かけていた業務が一瞬で終わる。
まさに私がサラリーマン時代に行っていたことです。
その時、人間が行うべき仕事がなくなってしまうのではないかという心配ですが、結論から言えば、全く問題ありません。むしろ大歓迎です。
機械にできる仕事は、どんどん機械に任せてしまえばいいのです。
理由は複数ありますが、一つ挙げるなら、仕事の価値という観点です。
「仕事にかけた時間」に価値があるのではなく、「仕事の成果」に価値があるのです。
短い時間で同じ成果が得られるのなら、その方がいいに決まっています。
余った時間で、人間は「より付加価値の高いこと」をすればいいのです。
付加価値については長くなるので記載しませんが、相談者である学生さんには掻い摘んで要点を説明しました。
驚きと喜びが混ざった複雑な表情をしていましたが、仕事が無くなる不安は完全に消えていました。
興味のある方は、「お金講座 第3回 お金の集め方」でお話しいたしますので、ご参考になさってください。
誰がプログラミングを学べばいいのか
国民全員が学ぶ必要があるか。どういった内容にするか。
そういった議論の余地はありますが、プログラマーを含めIT系のエンジニアが不足しているのは事実です。不足しているということは、そこにニーズがあるということですから、これからプログラミングを学ぶ人が増えることは悪くないと思います。
プロとしてプログラマーにならなくても、一般の事務処理でもデータ集計を行うなら、プログラミングが役立つ機会は多々あります。もちろん、エンジニアであれば言わずもがなです。エクセルなどでデータ集計を行うことがある方なら、VBA(Visual Basic for Application)を少し使えるだけで劇的に業務が加速することでしょう。
そして、仕事とは関係なく、ものの考え方としてプログラミングの仕組みを知っておくことにも価値があると思います。最先端心理学の基礎となる考え方がファンクショナリズムですから、プログラミング的なものの考え方を習得することは、人間のマインドを理解する上で大きな意味があることでしょう。
そういった意味で、多くの人が考え方を知っていれば、論理的思考とマインドの理解に役立つかもしれません。
もし興味がありましたら、少しぐらい学んでみるのもいいかもしれません。
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苫米地式コーチング認定コーチ 坂本裕史
WEB : http://www.sakamoto-coach.com